研究日誌

哲学と哲学史を研究している人の記録

ゲルダ・ヴァルターが見たマックス・ウェーバー

ミュンヘンの現象学者ゲルダ・ヴァルターは、同地でマックス・ウェーバーの授業にも出ていたようです。1960年に出版された自伝のなかで、ヴァルターはそのときのウェーバーの様子を次のように記しています。

副専攻のひとつが社会学だったので、私はマックス・ウェーバーの講義を聴き、彼のセミナーに参加した。彼が最後に行った講義は、満員の大講堂、広くてすり鉢状の上り坂になった講義室で開催された。「経済史」の講義だったと思う。マックス・ウェーバーは時間ぴったりに講義室に入ってきて、教壇に向かう途中でもう話し始め、最高に集中して、ものすごく難しい説明をまるで奔流みたいに私たちに向かってまくし立てた。終わりには、彼はまだ話しながらドアに向かい、その向こうに歩み出たときにやっと最後の一文を発したのだった!*1

真似をしたらほぼ確実にスベるやつですね。

いま知ったんですが、ヴァルターの自伝はGoogle Bookで全文読めるようです。

*1:Gerda Walther, Zum anderen Ufer. Vom Marxismus und Atheismus zum Christentum, Remagen: Otto Reichl Verlag, p. 273.